DATA
所在地 | ベトナム |
発注者 | JICA |
敷地面積 | 4,200ha |
計画人口 | 50万人 |
工期 | 1997-98 |
INFORMATION
1997-98年度、国際協力事業団(JICA:現国際協力機構)は、「ヴィエトナム社会主義共和国ホアラック・ソンマイ地域開発計画調査」を実施し、ハノイ首都圏における開発面積約4200ha、人口50万人の大規模研究学園都市の建設計画について検討を行った。パシフィックコンサルタンツインターナショナル、日本立地センター、日本工営の共同企業体が調査を担当し、当社は共同企業体の調査団に参加し、新都市のマスタープラン作成を担当した。
ハノイの西方約40kmに位置するホアラック・ソンマイ地域の都市開発は、ヴィエトナムの内発的な経済発展の基盤づくりと急激に膨張するハノイ首都圏の都市問題への対応という課題に応える国家的なプロジェクトであり、
・人材開発と科学・技術開発の全国的なセンターの役割を果たすこと
・国内ハイテク産業育成のための指導的機能を持つこと
・ハノイ首都圏の都市機能を分担すること
・ハノイ首都圏の増大する都市人口を一部吸収すること
が意図されている。これらの目的を達成するために、新都市には以下の諸機能を導入することとしている。
・ヴィエトナム国家大学(VNU)を開発地区に移転させ、同時に工学部、経済学部、法学部等を新設して、総合大学として再編・拡充する
・ホアラック・ハイテク・パーク(HHTP)を開発し、VNUおよび立地するハイテク企業との連携を計りながら、研究・開発機能、高度技術者養成機能を充実させる
・国際都市としてのハノイ首都圏の国際交流、文化交流、リクリエーション等の都市機能を分担する。
・2020年には500万近くまで膨張すると予想されているハノイ首都圏人口の受皿とするため、居住環境づくりの全国的なパイオニア・プロジェクトとなる良質な住宅開発を行う
計画では、今後のヴィエトナムにおける大規模都市開発のモデル・プロジェクトとしての位置づけを踏まえ、周囲の環境と調和し、良質な都市環境維持に配慮した「田園都市」、「環境モデル都市」を提案している。特に公共交通優先の都市づくりの観点から、ハノイとの間を連絡する軌道系交通システム(初期段階では高速バスシステム)の導入を計画した。
また、都市の建設には長期間を要し、多くの変動要素が考えられるため、格子状の開発パターンを基調とした柔軟性の高いプランを採用している。
調査を開始した1997年にアジア通貨危機、経済危機が生じ、ヴィエトナムにおける公共投資も大幅に停滞する見通しとなったことから、初期投資を最小限にとどめる「アクションプラン」の提案も行っている。